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近代的に転換するのが遅れたのが日本の厚生行政である。
ハンセン氏病予防法などというのはその最たるものである。
他の予防法も同様である。
日本のインフルエンザ予防接種は社会防衛の効果に疑問が投げかけられ、1994年の予防接種法改正で対象疾患から外されてしまった。
一方、アメリカは社会防衛論では、老人個人がインフルエンザに感染すると肺炎になるなど命にかかわるので高齢者を個々に守ろうとしてワクチンの予防接種を奨励しているわけで、日本とはその考え方は根本的にちがう。
アメリカではインフルエンザワクチンを接種することを国費や保険でみるように制度化した結果、1年当たりの入院患者が約5000人減り、高齢者医療保険の支出を2500万ドル(約30億円)節約できたという推定もある。
日本も医療政策を転換すべき時期に来ているのではないかと思う。
これまで厚生省は「予防接種法の目的は伝染病の流行の蔓延を予防するもので、高齢者個人の予防は同法になじまない」といってきたが、こんな“理屈のための理屈”が通る世の中ではなくなってきていると考えるべきだ。
インフルエンザの歴史インフルエンザは古くから人類を冒し、ときに大きな流行(パンデミック)を引き起こした。
パンデミックとして歴史的な有名な「スペインかぜ」は1918年に起きた。
第一次世界大戦でのドイツ軍敗戦の理由の1つともいわれているスペインかぜは、世界中で6億人が感染し、2300万人もの死者を出した。
わが国でも3200万人が感染し、39万人が死んだ。
その後、1948〜49年のイタリアかぜ、1957年のアジアかぜ、1968年の香港かぜがパンデミックを起こしている。
インフルエンザの歴史を変えたスペインかぜインフルエンザという言葉はイタリア人が1358年につけた名称だといわれている。
イタリア人はこの病気は“星の影響“で起こると考えていたようである。
”寒さの影響”という解釈もあるようだ。
インフルエンザはフランス語で弓というが、これはゴート語で“不意につかまえること“を意味するという。
医学の歴史をひもとくと、ヒポクラテスの時代以降、そのときどきの記録の中からインフルエンザとみられるものがときどき現れる。
「季節的流行性カタル」などの名で現れているのはインフルエンザと考えらており、これはインフルエンザパンデミックとしては、過去最大級のものだったといえインフルエンザの歴史は、いわゆるスペインかぜの前と後を分けて考える流儀があるように見受けられる。
それほど、スペインかぜという名のインフルエンザは強烈だったのだともいえよう。
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